希少生物保護の大切さ学ぶ クロウサギ保全啓発イベント 鹿児島市平川動物公園

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 鹿児島市の平川動物公園で27日、国の特別天然記念物アマミノクロウサギの保全に関する普及活動イベントがあった。同園で常設展示している奄美大島生まれのクロウサギ・テツコの紙芝居やポストカード作りなどがあり、参加者は希少な生き物を保全・保護する大切さなどについて理解を深めた。

 同園によると、テツコは推定13歳以上の雌。2012年に瀬戸内町の路上で交通事故に遭って顎の骨を骨折し、奄美大島内の動物病院で保護された後、19年3月に平川動物公園に移された。事故の後遺症でかみ合わせが悪く、定期的な治療が必要なため野生復帰が難しいことなどから、23年9月から昼夜逆転の環境を整えた園内の施設「は虫類・夜行性動物館」で常設展示している。

 イベントは神戸女学院大学との共同研究「アマミノクロウサギをモチーフとする一般市民への生物多様性保全を促す教材開発」の一環で実施。同日はテツコが交通事故に遭った経緯や、奄美大島と徳之島におけるロードキル(交通事故死)の現状を紹介した紙芝居のほか、クロウサギに関するクイズ、テツコへの応援メッセージを記したポストカード作りの内容で計5回開催され、各回とも多くの親子連れでにぎわった。

 両親と参加した小学2年の男児=鹿児島市=は「テツコは事故に遭ってかわいそうだった。事故で死ぬクロウサギも多いと聞いたので、クロウサギをひかないように気を付けて運転してほしい」と話した。

 参加者へ紙芝居を披露した、同大人間科学部4年の中本千尋さん(22)は「ロードキルで多くのクロウサギが犠牲になっている現状を知ってもらうことで、希少生物保全の意識を高めてもらえれば」と述べた。

奄美大島生まれのアマミノクロウサギのテツコを紹介した紙芝居を楽しむ子どもたち=9月28日、鹿児島市

 

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