鹿児島県奄美群島に秋の訪れを告げる野鳥アカハラダカが渡りの季節を迎えた。奄美市名瀬近郊で21日、NPO法人奄美野鳥の会(永井弓子会長)主催の観察会があり、会員ら9人が参加。アカハラダカが群れとなって秋空を舞う姿に、参加者たちは熱心に見入っていた。

秋空を舞うアカハラダカの群れ=21日、奄美市名瀬近郊
アカハラダカは朝鮮半島や中国などで繁殖し、東南アジアに渡って越冬する小型のタカ。成鳥は全長約30センチで、和名は首付近から腹部にかけて赤色がかっていることに由来する。渡りの途中、奄美に立ち寄る。
参加者はこの日、午前7時半に集まり、同会の岩元さよ子さん(66)からアカハラダカについて説明を受けた後、双眼鏡などを手に観察を開始。アカハラダカが遠くの山の中から数羽現れ上昇し、その後群れとなって空を流れていったり、旋回したりする様子を楽しんでいた。
この日は1時間余りの観察で200羽を確認。岩元さんは「アカハラダカが観察できるのは奄美の自然が豊かだから。中継地として大切な場所であることを感じてもらえたら」と笑顔を見せた。10月初旬ごろまで見られそうだという。

双眼鏡などを手にアカハラダカを探す参加者ら