1日の日の出、日没の時間帯にかけて鹿児島県の奄美大島や喜界島などで東西の空に桃色の光線が広がる様子が確認された。喜界島では午前5時半ごろ、昇る朝日を背に、東の空に放射線状に広がる光の筋「薄明光線」が、10数分後には反対の西の空に一点に収束する「反薄明光線」が現れ、空を桃色に染めた。
薄明光線は、雲の切れ間から太陽光が差し込み、空気中の水滴やちりに反射・錯乱することで生じる現象。西の空に見えた反薄明光線は、実際には平行な光線が遠近法で収束して見えるもの。日の出や日没時間帯は、朝焼けや夕焼けの光が反映され、自然条件が整えば桃色や紫色に見えることがある。
喜界町在住の写真家・吉行秀和さん(66)が同日午前5時25分ごろ、東の空に桃色の薄明光線が広がっているのを見つけ、同町小野津海水浴場から撮影。十数分後に西側の空にも「反薄明光線」が現れたという。
吉行さんは「東西両方の空でピンク色の光線を見たのは初めてでびっくりした。孫の誕生日に、いい写真が撮影できた」と話した。
同日午後7時ごろには、奄美市名瀬でも桃色の薄明光線の目撃情報があった。

喜界島の東の空に放射線状に広がる桃色の薄明光線=1日、喜界町小野津(吉行秀和さん提供)