日本一の生産を誇る鹿児島県喜界島の特産品・白ゴマの収穫がピークを迎えている。島の各集落では、刈り取られた白ゴマの株が道路沿いの石垣や塀に並び、天日干しされる独特の光景が広がっている。
喜界町農業振興課や生産者によると、2025年産は「今のところ収穫したゴマに赤茶色のものが目立つ」などとし、品質はやや低めとみられる。生育段階での自然災害はほとんど受けていないものの、害虫の影響が一因に挙げられている。
豪雨や台風の影響で不作だった23年(15・0トン)、24年(8・6トン)に比べると、生産量は大幅に回復する見通し。
同課によると、喜界島の白ゴマの栽培面積は約150ヘクタール。栽培戸数は約250戸。在来種の白ゴマで、香りの強さと濃厚な味わいが特徴。国産ゴマとして人気も根強く、夏場に現金収入が少ない生産者にとっては、貴重な換金作物となっている。
同課の担当者は「生産量日本一のブランドもあり、近年は取引価格が高騰している一方、これまで栽培方法や品質の基準がなく、生産者によってばらつきがあった。今後は他産地との差別化やブランド力向上のため、生産者と共にさらなる品質改善に取り組んでいきたい」と話した。

海岸沿いなどに天日干しされている白ゴマ=27日、喜界町荒木