地域の繁栄を祈願 豊年祭シーズン到来 宇検村阿室集落

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 「ヨイヤー、ワイドー」。鹿児島県奄美大島の宇検村では8月に入り、各集落の豊年祭が行われている。17日は阿室集落(田畑成康区長、29世帯)であり、集落民や出身者らが相撲や踊りを繰り広げ、五穀豊穣(ほうじょう)と地域の繁栄を祈願した。

 同村では9日の久志と屋鈍を皮切りに、来月中旬にかけて全14集落で豊年祭が行われる。

 阿室の豊年祭は、集落に残る祭場トネヤから、まわし姿の男衆が列を成して歩くフッジャシ(振り出し)で幕開け。一団は「ヨイヤー、ヨイヤー、ヨイヤッ」「ワイドー、ワイドー、ワイドッ」と声を掛け合い、ホラ貝やチヂン(太鼓)を鳴り響かせながら練り歩き、土俵入りした。

 塩で清める土俵払いの後、新生児2人が初土俵。紅白のはちまきと化粧まわしを身に付けて土俵に上がると、観衆から温かい拍手が送られた。新生児の保護者は「集落の人に祝ってもらいうれしかった」「来年以降も連れてきたい」と笑顔を見せた。

 大勢の出場者で盛り上がった相撲のクライマックスは個人決勝戦。土俵の周りで老人会のメンバーが踊る中、名柄在住で阿室出身の白間武則さん(35)が優勝した。

 この日、同村で豊年祭が行われるのは阿室のみとあって、他集落からも多くの人が来場。田畑区長(67)は「近年にないくらいの人が集まり、盛り上がってよかった。伝統ある行事を今と同じような形で残していくために、若い人たちがいなくならないシマ(集落)を守っていきたい」と話した。

フッジャシ(振り出し)で土俵入りする男衆=17日、宇検村阿室

 

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