鹿児島県奄美市の市保育人材確保等官民連携実行委員会(委員長・喜納祐司奄美市福祉事務所長)が主催する中高生対象の保育体験が、1日から同市内の保育施設で始まっている。保育に携わる人材確保などを目的に初開催。参加した生徒は園児らとの触れ合いを体験し、保育業務の魅力と大切さを学んだ。
同委員会は、保育業務のイメージ向上や人材確保などを目的に昨年11月設立。現在、行政、保育施設などの官民21人が委員を務める。保育体験は中高生の夏休みを利用して実施。8日までに、市内6施設で18人が参加しており、最終日の29日までに計24人が参加する予定。
同市名瀬柳町の金久保育所(今田鈴恵所長、園児118人)で8日にあった保育体験には金久中学校3年の生徒2人が参加。この日は室内で3~4歳児の体操教室があり、2人が保育士をサポートしながら園児たちと触れ合った。
生徒2人は「改めて体力の要る仕事だけどやっぱり子どもたちはかわいい」「みんな元気いっぱいに動き回るのでけがをしないか気が抜けない。責任も重いが、やりがいのある仕事だと分かった」とそれぞれ話した。
2人は同園で4日間ボランティアを務めた。同所主任保育士の太月みさおさん(57)は「2人とも積極的に協力してくれて、子どもたちもすっかりなついていた。とても有意義な取り組みなので今後も多くの中高生に参加してほしい」と期待した。
同市の担当者は「保育士は重労働、低賃金というイメージがあったが、国策で改善されつつある。悪いイメージを払拭(ふっしょく)するためにも今後も若者に向けて、体験事業の実施や情報発信に努めたい」と話した。

保育体験で園児らと語らう中学生2人=8日、奄美市名瀬の金久保育所