相撲文化を世界に発信 SUMO EXPO2025 大阪・関西万博 瀬戸内町、徳之島町が島文化紹介

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日本の相撲文化を世界に向けて発信する「SUMO EXPO2025」は4日、大阪府夢洲の大阪・関西万博会場内のイベント施設WASSEであった。「SUMOが世界を一つにする!」をテーマに北海道から鹿児島まで国内9自治体、うち鹿児島県の奄美群島から瀬戸内町と徳之島町が参加し、独特の相撲文化をPRした。海外4カ国の相撲文化紹介の他、小中学生や大学生の相撲トーナメント、女子相撲大会なども開催され、観客が楽しみながら相撲文化への理解を深めた。

 瀬戸内町は「赤ちゃん土俵入り」と「相撲甚句」を披露。大人に抱きかかえられ、大声で泣きだす赤ちゃんに観客からは歓声が上がり、「頑張って」と声を掛ける姿も見られた。相撲甚句は町内集落の豊年祭などで歌われる唄を紹介した。

① 赤ちゃんの土俵入りで独特の相撲文化を披露した瀬戸内町=4日、大阪府夢洲

 自ら赤ちゃんを抱いて土俵入りし、瀬戸内町をPRした鎌田愛人町長は「紹介した二つは町の独特な文化。赤ちゃんの無病息災を願い、化粧まわしには町の景色をあしらった。国内外に発信できてうれしく思う。相撲を取りたい方に瀬戸内町を訪れてもらいたい」と話した。

 この日のため、東京から駆け付けた同町出身の福原康志さん(33)・歩寿(ありす)さん(31)夫妻は、11カ月の息子の土俵入りを見守り「(土俵入りで)たくさん泣いた方が良く育つと聞いたので良かった。健康で穏やかな子に育ってほしい。島の相撲の文化のおかげでこのような経験ができてうれしい」と話した。

 徳之島町は同町出身の第46代横綱朝潮太郎を奄美の英雄として紹介。前副町長の幸野善治さんとお笑い芸人で同町出身のキンボシ西田淳裕さんが登壇し、朝潮太郎の子ども時代や米軍政下で密航して角界入りした経緯、引退後に元大関の小錦さんなど後進を育てたことなどについて取り上げた。また、同町出身で元力士の松田哲博さんが朝潮太郎の事を歌った相撲甚句を披露し、観客も手拍子で盛り上げた。

相撲甚句で横綱・朝潮太郎を紹介した徳之島町=4日、大阪府夢洲

 幸野さんは「朝潮太郎は戦後最高のヒーロー。徳之島を相撲でPRするなら、ということで紹介した。海外の人は知らないと思うが、小さな島から出た英雄を世界に向けてPRできた。徳之島にある銅像も皆さんに見てもらいたい」。西田さんは「これをきっかけに島以外の方にも朝潮太郎の存在を知ってもらえたら。徳之島を知ってもらうためには知名度アップが必要で、今回は良い機会になったと思う」と話した。

 島根県出雲市の相撲神楽や大分県宇佐市の子ども相撲甚句など各団体が独自の伝統を披露。海外からはセネガルの「ランブ」、モンゴルの「ブフ」といった文化や、近年相撲が盛んなアゼルバイジャン、ウクライナも自国の相撲文化が紹介された。

-あまみじかん
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