ザトウクジラに歓声 奄美大島沖=住民向け、ホエールウオッチング

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 奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)はザトウクジラの来遊シーズンを迎え、鹿児島県奄美大島沖で4、5の両日、地元住民向けのホエールウオッチング体験ツアーを行った。2日間で計約70人が参加。目の前に吹き上がるブローや優雅に泳ぐ姿に、参加者たちは歓声を上げ楽しんだ。

息継ぎのため背中側から潮を吹き出す「ブロー」(左)と水面から海中へ深く潜る際に尾ひれを高く上げる「フルークアップ」=5日、奄美大島沖

 ザトウクジラは成体の体長が約12~15メートル、体重約30トン。冬季に子育てや繁殖のため、ベーリング海周辺から奄美近海に来遊する。出現数のピークは例年2月。今シーズンは昨年12月11日に加計呂麻島徳浜沖で確認され、今月4日までに延べ34群52頭が確認された。

 5日は奄美市内の幼稚園児と保護者32人がツアーに参加。午前9時に同市名瀬の小湊漁港を出港し、沖合で並んで泳ぐ推定体長10メートルと12メートルのザトウクジラ計2頭を確認。ゆっくりと北上する様子を追った。

ホエールウオッチング体験ツアーを楽しむ幼稚園児と保護者ら=5日、奄美大島沖

 2頭は息継ぎのため背中側から潮を吹き出す「ブロー」や、水面から海中へ深く潜る際に尾ひれを高く上げる「フルークアップ」を繰り返し披露し、子どもたちは大興奮。保護者もカメラ片手に撮影を楽しんだ。

 奄美市名瀬の女児は「見れてうれしかった。次はジャンプしたり回ったりするクジラも見たい」と笑顔。女児の父親も「クジラに感動したし、子どもたちが喜んでいる姿を見られるのがうれしい」と話した。

 同協会には5日現在、奄美大島と徳之島の計16事業者が加盟。共通の操船ルール設定などクジラのストレスに配慮し、安全運航へ連携も図る。興会長は「船長たちもクジラを守りながら見せたい、という思いがある。お客さんにルールを守ってもらうのと同様に、われわれもルールを守っていけたら」と語った。

 同協会によると昨シーズン(2023年11月~24年4月)の奄美大島周辺海域でのザトウクジラ出現頭数は1662頭。今シーズンも3月まで見ごろが続き、同程度の数の出現を見込んでいる。

 

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