鹿児島県奄美市名瀬の奄美海洋展示館で9月30日まで、普段見ることができない種も含めたウツボ42種(うち標本8種)が特別展示されている。飼育員の小瀬村岳(たける)さん(22)は「日本の水族館では一番多くウツボを展示している。幻のウツボ『アズキウツボ』も見てほしい」と多くの来館を呼び掛けている。
小瀬村さんによると、国内には約80種のウツボが生息し、うち約60種が奄美群島の海で確認されている。同館で多くのウツボを飼育していることを広めようと7月から特別展示している。
「ウツボはアイデンティティー」と語る小瀬村さんの一推しは、鋭い顔と大きな目が特徴の「アズキウツボ」。日本での発見例は数例のみで、生きた姿で展示されているのは同館のみという。
他にも奄美の海に多く生息する「ゴマウツボ」や日本では奄美が初記録の「カケロマキカイウツボ」、和名がまだないとみられる4種など、小瀬村さんが採集したウツボを中心に多数の種が展示されている。ウツボの生息場所や成長過程、体の特徴などを解説したパネルも設置されている。
ウミガメの餌やりを目的に友人2人と一緒に来館した香川県の山原千明さん(30)は「貴重なウツボの展示を見ることができてよかった。いいタイミングだった」と話した。