飛行時間約10分。日本エアコミューター(JAC)が運航する鹿児島県の奄美大島―喜界島路線が、8月1日から「日本一短い」航空路線になる。これまで〝日本一〟だった琉球エアーコミューター運航の沖縄県北大東島―南大東島線(直線距離約13キロメートル)が、7月末で運航休止となるため。
奄美大島―喜界島は1964年7月1日、当時の東亜航空が運航を開始。JACに移管した1983年7月から2024年5月までの搭乗者数は約190万人で、1日平均約120人が利用する島民にとっての大切な〝足〟となっている。
JACによると、両島間は直線距離約24キロメートル。時刻表上の飛行時間は20分だが、実際の飛行時間は平均約10分。
シートベルト着用サインが消えることがない10分弱の空の旅。7月17日、初めて喜界島を訪れたという神奈川県の女性(40代)は、搭乗時から声を弾ませ「飛行機にはたくさん乗っているけれど、この路線は初めてで楽しみにしていた。おもちゃみたいな飛行機で揺れが怖かったけど、とてもいい思い出になった」と笑顔で話した。JAC広報は「多くのお客さまに興味を持っていただき、この短いフライトを楽しんでいただきたい」とコメントしている。
なお、ギネス世界記録に認定されている「世界一短い国内航空路線」は、スコットランドの国内線でウェストレー島とパパ・ウェストレー島を結ぶ便。両島間の距離2・74キロメートルを、飛行時間約2分で結ぶ。運航会社によると最短では53秒で飛行したとの報告も。1967年12月からギネス記録を保持している。