奄美ネイチャーセンター(高美喜男代表)主催の「新春湯湾岳自然観察会」が1月2日、大和村と宇検村に連なる奄美最高峰の湯湾岳(694・4メートル)であった。昨年11月25日からの試行開始となった利用ルールを踏まえ、大和村側から出発。28人が参加し、希少な動植物がすむ世界自然遺産の冬の山を満喫した。
参加者は林道田検福元線を約2時間かけて散策。マンリョウなどの赤い実が冬の林道を彩り、サキシマフヨウも美しい花を咲かせていた。昆虫以外の動物はあまり見られなかったが、シロハラクイナが餌を探した跡やアマミノクロウサギのふんなども観察でき、動物たちの息吹を感じさせた。
林道散策後は、イチゴのようなツチトリモチなどを観察しながら登山道を歩き、山頂付近の祠(ほこら)広場へ。22年11月に完成した展望台からはズアカアオバトやサシバが大空を舞う姿も見られた。
この日は環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類のミヤビカンアオイや同Ⅱ類のオオシマガマズミなど、奄美大島や群島固有の植物の姿も。参加者は50種以上の植物の観察を楽しんだ。
奄美市から参加した児童は「お母さんとお花を見つけるのが好き。楽しかった」と笑顔を見せ、母親も「1人で歩いていると気が付かない植物たちの名前や特徴が分かり、楽しかった」と話した。