<プロフィール>
1989年鹿児島生まれ。相席屋と移住ドラフト会議がきっかけで、鹿児島へほぼUターン移住。WEBデザイナーからデザイナーへのスキルアップを試みている。現在、NPO法人頴娃おこそ会にてデザイン業に従事。CIを考え直すことで、既存の活動の情報整理を計る。空き家再生に関する本のデザイン、頴娃町公式観光サイトエイゴーの制作、運営。デザインチーム“カンケリデザイン”を結成。地域課題を共有しあう場、カンケリを運営する。地域に根付いた商店を中心に勝手にTシャツを作るプロジェクトも始動。
– (文)田代くるみ@Qurumu
鹿児島、なんだか面白そう——第1回の移住ドラフト会議で指名を受け、頴娃町に移住した前迫昇吾さんは、もともと鹿児島生まれの鹿児島育ち。大学進学を機に上京後、東京でクリエイティブ業界に進んだが、ふとしたタイミングでそう思うようになったと言う。
そのきっかけは、U・Iターンをして鹿児島を盛り上げたいと考える経営者を巡るツアー「Qtrip」に参加したことだった。「高校まではまったく地元に興味がありませんでしたが、鹿児島にはこんな面白くてワクワクすることを考えている人がいるんだと知ると、鹿児島がどんどん気になってきました」と振り返る。しかし仕事柄、顧客は東京のクライアントが多く、移住という決断にはなかなか結びつかなかった。そこで前迫さんの背中を押したのが、移住ドラフト会議だったという。
指名を受けた頴娃町からは「WEBやデザインの領域で力を発揮してほしい」と求められていたこともあり、移住後は地域おこし協力隊としてNPO法人頴娃おこそ会に所属しながら、現地の情報発信や看板やパンフレットなどのデザインに力を入れてきた。今年4月には地元の観光情報を集めたブログスタイルのサイト「EIGO(エイゴー)」をローンチしている。
また「鹿児島では未だにデザイナーという職業が市民権を得られていない」という新たな課題感も生まれた。現在は、鹿児島で活動するデザイナーらが集まったデザインチーム「カンケリデザイン」を結成し、クリエイティブ産業の活性にも奔走する。
「自分は指名されるはず」という気持ちで臨むと、指名されなかった時にショックが大きい……という実体験があります。移住ドラフト会議は、一見“ネタ”のように見えますが、実はかなり“ガチ”なイベント。指名されたい地域があるなら、選手側からもしっかりアピールすることを忘れずに、というアドバイスを送りたいです!